(2019/12/25 05:00)
あくまで経済最優先を貫き、最長政権にふさわしい成果を上げてほしい。
2012年12月26日に第2次政権を発足した安倍晋三首相は、第3、第4次内閣を経て明日、連続在任満7年を迎える。11月に第1次内閣を加えた通算日数で憲政史上の最長記録を更新。20年8月には連続在任期間でも佐藤栄作元首相を上回る見通しだ。
産業界は時の政権に対し、何よりも安定を望んでいる。政府の方針が定まらないと、事業運営や投資の判断に支障が出るからだ。欧州連合離脱で揺れる英国のようになれば、必ず産業の発展が阻害される。
安倍政権の安定ぶりは、主要国首脳会議(G7)にドイツのメルケル首相に次ぐ7年連続出席したように、先進諸国の中でも上位に位置する。最近の閣僚の辞任や「桜を見る会」の招待問題など、長期政権のおごりともとれる振る舞いには批判もあるが、産業界の支持は一貫して強固である。
長期安定政権としての成果の中には、産業界の要望に合致したものがいくつもある。消費税率を2度にわたって引き上げ、税収構造を変えたこと。各種の規制改革やデジタル化の推進。さらに法人実効税率の引き下げも、過去の政権では実現しなかったものだ。
しかし政権の経済政策「アベノミクス」で公約したデフレ経済からの脱却は、まだみえていない。確かにいくつかの指標は単純にデフレとは呼べない状況まで来たことを示している。だが日銀の“異次元緩和”が継続したままでは、デフレ脱却とは言えまい。
残念ながら最近の安倍政権では、第2次内閣発足時に掲げた経済最優先という熱意が薄らいでいるようだ。首相が自民党総裁4選を否定し、政権のゴールを21年秋に想定する中で、持論である憲法改正に軸足を移しつつあるようにもみえる。
“失われた20年”がもたらした最大の負の遺産であるデフレの退治こそ、安倍政権が目指すべき道である。産業界の期待にこたえてもらいたい。
(2019/12/25 05:00)
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