(2020/1/1 05:00)
課題先進国の役割を担うには、イノベーションが欠かせない。新しい10年へ。変革に踏み出そう。
2020年が始まった。20年代は昨年までの10年代よりも、さまざまな面で課題多き時代となることは間違いない。
産業界に求められるのは、イノベーションを興し、自ら変革しながら成長を加速していくことである。ここでいうイノベーションは、技術革新より「新規創出」の意味が強い。
20年代は、「所有からシェアへ」「モノづくりからコトづくりへ」と、産業構造の大転換が起こる。いいモノをつくるだけでなく、エンドユーザーまでを見通したコト市場をいち早く創ったものが、すべてを獲得する。コト市場はプラットフォームと言い換えてもいいだろう。
大企業は自前主義だけでは変化の早い市場創出を実現できない。より大胆なM&A(合併・買収)や事業再編、ベンチャー企業とのオープンイノベーションに取り組むべきだ。
ただ投資には成功もあれば失敗もある。ベンチャーとの協業は特にだ。成功の確率を高めるには、自社が進むべき方向は何かを明確に定め、そしてその方向が、社会の課題解決に沿ったものであるかを判断する指標を持つことが重要だ。
中堅・中小企業には、経営者の意識改革を求めたい。中堅・中小企業こそ、日本経済の基盤を支えている。生産性の向上が最重要課題だ。どうしたらもっと利益が出せるのか。徹底的に知恵を絞ってもらいたい。
「画期的な新製品を開発する」「海外市場開拓に乗り出す」「取引先に値上げを受け入れさせる」「国から補助金を獲得する」―どんな手段でもいい、受け身の姿勢を脱し、自社の利益の最大化に精力を注いでもらいたい。そして得た利益を従業員の賃上げに反映させるまでが、経営者の責任だ。
少子高齢化に直面する日本は、このままでは停滞から衰退への道しか残されていない。課題解決へ自ら変革することが、新しい成長への道のりにつながっている。
(2020/1/1 05:00)
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