(2020/1/9 05:00)
将棋の8大タイトルのひとつ、王将戦が12―13日、静岡県掛川市で第1局が開かれる。渡辺明王将(棋王・棋聖との三冠)に広瀬章人八段が挑む七番勝負で、2020年最初のタイトル戦として注目を集める。
王将戦は19年11月の挑戦者決定リーグ戦の最終局で、広瀬八段と最年少棋士として注目度が高い藤井聡太七段が戦い、広瀬八段が最終盤に逆転して挑戦権を獲得。藤井七段は史上最年少でのタイトル挑戦を逃した。
“現役最強”の呼び声が高い渡辺三冠が持つ棋王のタイトル、五番勝負は2月開幕。こちらは18年10月デビューの22歳、本田奎(けい)五段がプロ棋士となる四段昇段後、史上2番目のスピード記録でタイトル挑戦の快挙を遂げた。
18年7月時点で31年ぶり(当時は7大タイトル制)に8大タイトルを8人で分け合う事態となった将棋界。そこから1年半が過ぎ、現タイトル保持者は渡辺三冠のほか豊島将之二冠(竜王・名人)、永瀬拓矢二冠(叡王・王座)、木村一基王位の4人。
戦国時代突入と思いきや実力者が複数タイトルを占める構図になった。将棋界の勢力図の塗り替わりは早い。産業界も然(しか)り。米中摩擦の動きに翻弄(ほんろう)された19年。20年こそ“活気ある景色”への塗り替えを望みたい。
(2020/1/9 05:00)