(2020/1/27 05:00)
企業経営者で会見に記者やアナリストが殺到する筆頭は、ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長と、日本電産の永守重信会長兼最高経営責任者。その一言で株価が動き、景気の先行きを示すキーワードとなって世の中に流布する。
会見でのプレゼンテーションのスタイルは大きく異なる。孫社長は大きな画面を前に歩きながらしゃべる“スティーブ・ジョブズ”型。永守会長は机を前に座ってしゃべる従来型だが、発する言葉の数は、孫さんの3倍ぐらい多い早口だ。
二人に共通するのは、発するメッセージがきわめて明確明瞭であることだ。先日開かれた日本電産の決算会見では「業績の底打ちははっきりした」「今投資しないでいつするのか」という主張がビンビン伝わってきた。
ソフトバンクの前回の決算では「今回の決算の発表内容ボロボロの真っ赤っか」と言いながら最後には「反省はするが萎縮はしていない。いいときはもっとよくなる」と言われ、聞いてるこちらをそうなのかと思わせた。
これから年度末にかけて少なからぬ企業が新たな経営計画やトップ交代の会見を開くだろう。いい話もたとえ悪い話でも、トップが真摯(しんし)に説明する。経営者にとってプレゼン力が重要な時代である。
(2020/1/27 05:00)