(2020/2/18 05:00)
2019年10月に始まった政府のキャッシュレス・消費者還元事業は、短期間で消費者に定着した。経済産業省によると、2月11日時点で約101万店が加盟。19年12月23日までの還元額は約1340億円。
意外なケースも。東急系の東急パワーサプライ(東京都世田谷区)は新電力事業者として加盟。契約客は電気やガスの料金をカード払いで5%還元される。
保育園や法律事務所、整体院なども還元事業に参加している。IT大手ヤフーの社員食堂も加盟している。東京・紀尾井町の本社食堂と社内カフェで「PayPay(電子マネー)で支払えば還元が受けられる」(広報)。
加盟店になるには対象業種である他に、資本金や従業員数などに上限がある。ただ大手企業の系列でも100%子会社でなければ、中小企業と見なされ加盟できる。そもそもキャッシュレス還元は中小企業支援にとどまらず、消費増税対策の時限措置。そこに着目し、早くから準備をして顧客サービスに結びつけた積極性に脱帽する。
19年10―12月期の国内総生産(GDP)は、5四半期ぶりにマイナス成長だったが、前回の消費税増税時より落ち込みは少ない。キャッシュレス還元も一定の効果を果たしたと言えそうだ。
(2020/2/18 05:00)