(2020/2/19 05:00)
新型コロナウイルスの国内感染が拡大している。感染が長引けば、日本経済にも多大な影響が及ぶ。封じ込めへ企業がやれることも多い。一刻も早く取り組みを始めるべきだ。
感染リスクが高いのは、人が密集した閉鎖空間だ。都心の通勤ラッシュやオフィスでの執務はそれにあたる。企業は時差出勤や自宅での在宅勤務(テレワーク)など、柔軟な勤務形態の導入を加速してもらいたい。すでにNTTグループやKDDI、NECなどIT系企業は大規模なテレワーク勤務を取り入れ、社員に実施を促している。
また、日本では多少の発熱なら出社するという考えが根強く残っている。会社から社員に、「発熱なら出社に及ばず」を徹底し、社員が気兼ねなく休める雰囲気を醸成してもらいたい。
課題は中小企業がこうした取り組みをどこまで徹底できるかだ。ただでさえ人手不足で出社を求められる場面も多い。テレワークをしようにも環境が整っていない企業も少なくない。
しかし、ひとたび社内で感染者が発生すれば、事業所全体が操業停止に追い込まれる危険性もある。経営者は一歩踏み出す決断をしてもらいたい。特にテレワークの整備は、今後発生する可能性の高い大規模災害や、交通機関の計画運休などでも効果を発揮する。社員の働き方改革にも有効だ。投資を惜しむべきではない。
新型ウイルスは日本経済に影を落としつつある。大和総研は感染拡大が1年程度に長期化すれば、実質GDP(国内総生産)を0・9%程度押し下げると予測する。
政府は新型ウイルスによる国内経済への打撃軽減へ、観光関連産業への資金繰り支援を講じる。中国での生産停滞や消費縮小が長引けば、ダメージはより幅広い産業に及ぶ。今後の状況次第で、資金繰り支援や雇用調整助成金の対象業種を拡大するなど、追加の支援策も即座に打ち出せるよう準備を進めていくべきだ。
官民が総出で新型ウイルスのまん延を阻止し、景気の悪化を食い止めたい。
(2020/2/19 05:00)
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