(2020/2/21 05:00)
2月23日は「工場夜景の日」。川崎市、室蘭市、四日市市、北九州市の関係者が工場夜景を観光資源にしようと、2011年に「全国工場夜景サミット」を初開催した日にちなむ。元祖・川崎市は、定期ツアーを始めて10年がたち、ブームから安定期に入った感がある。
同市によると、今では年間約1万5000人が、バスツアーや屋形船クルーズなどで夜景を楽しむまでになった。観光客は老若男女さまざまだが、特徴的なのは女性客が65%を占めることだ。
人気のバスツアーは土曜日の夕方、東京駅を出発する。クリスマスシーズンは毎週、満席になるそうだ。ソウルフードの焼き肉を堪能してから夜景スポットを巡る。
工場夜景の魅力は、昼間の表情とのギャップにある。無機質な工場群が日没とともに白とオレンジの光が織り成す幻想的な世界に変わる。気温が下がる冬場は、工場から立ち上る水蒸気が光を帯びてシルクのように美しい。
企業努力で環境改善が進み、公害の発生源だった工業地帯が、観光で脚光を浴びるのは誇らしくもある。今年11月には12都市が川崎市でサミットを開き、新たな工場夜景の見せ方を話し合う。日本のモノづくりを支える工業地帯がみせる、もう一つの表情は必見だ。
(2020/2/21 05:00)