(2020/2/27 05:00)
新型コロナウイルスの国内感染が拡大している。まん延阻止に、企業はもう一段取り組みを強めるべきだ。
一部の地域ではクラスター(集団)感染も発生している。政府は今後2週間が正念場とし、連日対策を打ち出している。26日には梶山弘志経済産業相や加藤勝信厚生労働相、赤羽一嘉国土交通相が、経団連の中西宏明会長や日本商工会議所の三村明夫会頭らと会談し、感染防止への協力を直接要請した。
産業界も、通勤ラッシュを避ける時差出勤や在宅勤務(テレワーク)への取り組み強化に動いている。
資生堂は感染者が発生していない段階でも国内全従業員8000人を在宅勤務とした。ユニ・チャームも国内事務部門など2000人規模で在宅勤務を行う。先行して取り組んだNTTコミュニケーションズは、毎日5000人規模で在宅勤務が選択されている。
ただ多数の企業は、社員に取り組みを促すものの、実施の判断は部門や社員自身に委ねており、実行が伴っていないところもあるようだ。会社が明確な指示を出し、取り組みが進むようにしていくべきだ。
在宅勤務でも事業継続が可能であるのが望ましい。大企業が大幅な在宅勤務に踏み出せるのは、情報共有システムやセキュリティー確保など従前から対策ができていたからだ。
一方で、中小企業などは対応が遅れているところも多い。企業が現時点で最優先すべきは、ウイルスのまん延阻止であり、そのためには、一部の事業は休業・中断という判断にも踏み込まざるを得ないのではないか。万一感染爆発という事態となれば、すべての機能が停止し、封鎖された中国・武漢のような対応を迫られる危険性もある。
各社が、どうしても継続が必要な事業と、延期が可能な事業を仕分けし、出社に必要な社員数を絞り込むなど、自社でやれることを考え、実行する段階に来ている。これから2週間をどう乗り切るか、経営者が覚悟を持って対応に取り組んでもらいたい。
(2020/2/27 05:00)
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