(2020/3/26 05:00)
第5世代通信(5G)の商用サービスが始まった。自動運転やIoT(モノのインターネット)などデジタル社会のインフラとなるものだ。事業者は早期の普及に努めてもらいたい。
5Gは超高速(最高伝送速度毎秒10ギガビット)、超低遅延(1ミリ秒程度)、多数同時接続(1キロ平方メートルあたり100万台の接続機器)という特徴がある。現行の第4世代通信(4G)までは主に人間が利用する通信手段だった。5Gは自動車や家電、工作機械、ロボットなど、生活や産業のあらゆる機器がネット接続することを想定している。
自動運転や遠隔での手術、臨場感のあるスポーツ観戦など、活用の場は無限にある。そこから生み出されるビジネス市場を獲得することが、日本が成長できるかどうかのカギを握っているといっても過言ではない。
すでに米国、中国、韓国などで商用サービスが始まっている。日本は出遅れたとはいえ、本格的な普及期を見据えれば横一線レベルにある。5G時代を先取りするビジネスモデルを早期に作り上げていきたい。
そのためには、まずインフラ整備が重要だ。5Gサービスを提供するのは、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの4社。ドコモやKDDIは5Gの基地局整備に2023年度末までに1兆円を投資するが、全国普及にはさらなる投資が不可欠だ。また、地域に限定した5Gを整備する「ローカル5G」には、さまざまな企業の参画が期待される。
政府はインフラ整備の前倒しへ、設備投資の15%を法人税から控除するなどの支援策を整備する。また、東京都は保有する学校や都営住宅、文化施設などを基地局設置に開放するためのワンストップ窓口を設け、普及を後押しする。
インフラ整備と同時に、5Gならではのサービスの充実が欠かせない。24日にトヨタ自動車とNTTが提携を発表した。これも5G時代と、さらに次の6G時代を踏まえたものだ。5Gで何ができるのか。さまざまな企業が自社のサービスとの連携を考え、歩み出してほしい。
(2020/3/26 05:00)
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