(2020/3/27 05:00)
東京は今、桜が満開を迎えている。先週末も各地の名所は、歩きながら花見を楽しむ人々でにぎわった。このままなら次の週末はさらに多くの人出があったことだろう。
小中高校の突然の休校などで、家庭には『コロナ疲れ』とも言える閉塞(へいそく)感があった。政府が4月から休校解除を表明したのも、日本だけは危機から逃れられた、という漠然とした楽観論を助長した。
小池百合子東京都知事が、週末の外出自粛を都民に呼びかけた。「感染爆発の重大局面にある」と。楽観論を一気に吹き消す衝撃だった。小池知事は首都封鎖の可能性にも言及している。
世界で新型ウイルスの死者は2万人を超えた。それも5日前の1万人から一気に倍増した。国民に外出禁止令が出され、違反すれば罰金まで科す国もある。日本も、いつ外出が制限される事態に陥ってもおかしくない。この週末が感染爆発に到達するかどうかの瀬戸際なら、率先して外出自粛に取り組みたい。
都内のスーパーの一部で棚からカップ麺など保存食が消えるといった混乱も見られる。冷静な行動を心がけたい。せっかくの巣ごもりの機会だ。家族との時間を楽しんだり、読まずにいた本を手にするなど、静かに過ごすとしよう。
(2020/3/27 05:00)