(2020/4/7 05:00)
政府はきょうにも改正新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言を発令する。感染拡大に歯止めをかけるために、企業も協力に踏み出してもらいたい。
緊急事態宣言は東京都・大阪府など7都府県が対象。対象自治体は住民に「不要不急の外出自粛」を求めることになる。企業にも社会生活の維持に必要な業務を除き、在宅勤務を求める見通し。ただし、要請であり強制ではない。
企業活動にとって“不要”なものなどない。しかし、業務のうち、今必ずやらなければならないか、来月以降に延期できるか、“不急”に該当する業務については、考える余地がある。
継続業務と延期できるものを見極め、出社に必要な最低限の人員を割り出し、残りはテレワークと自宅待機にするといった判断が求められる。
厚生労働省とLINEが行った調査によると、「仕事はテレワークにしている」と答えたのは、全体の5・6%にとどまっている。テレワークへの準備ができていない企業が多いことと、「そこまでの対応はしなくていい」と考える企業がまだまだ多いことも背景にありそうだ。在宅で対応可能な業務を改めて考えてもらいたい。
テレワークが困難なら、経営者は従業員を自宅待機させる決断も必要だろう。外食産業や観光関連など、そもそもテレワークが困難で、目の前の仕事が激減している業種は多い。
政府は雇用調整助成金の特例措置として、解雇しない場合中小企業は90%、大企業は75%に助成率を引き上げた。売上高の減少率も最近1カ月で5%以上と要件を緩和し、パートなどの雇用保険に非加入の労働者も対象とするなど、過去にない対応をとっている。資金繰りについても、無担保無利子融資も用意した。経営者はこうした制度を活用して、雇用維持へ努力を尽くすべきだ。
企業にとって業務の中断は極めて辛い選択だ。より多くの企業が感染拡大阻止に取り組めば、早期の活動再開につながると信じ、行動してもらいたい。
(2020/4/7 05:00)
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