(2020/4/8 05:00)
新型コロナウイルスの感染拡大がやまない。政府の緊急事態宣言発令を受けて、中小企業でもテレワークへの移行は待ったなしになった。
日本テレワーク協会(東京都千代田区)には、中小企業から問い合わせの電話がひっきりなしという。「何から始めたらよいか」「助成制度の利用法を教えて」「自宅にパソコンがない」などテレワークのイロハから始まる。
パーソル総合研究所(同)が3月中旬に実施した調査によると、正社員のテレワーク実施率は13・2%にすぎない。そのうち初めて実施した人は47%を占める。「会社から特に案内がない」人は7割を超える。
出口の見えない「閉じこもり生活」に慣れていない社員には、心の健康対策が重要になる。仕事と私生活の区切りがつかない混乱を避けるため「メールでも電話でもいいから、在宅勤務者には始業と終業の連絡を徹底させて」(滝沢靖子日本テレワーク協会主任研究員)と呼びかける。
社内規定の整備が間に合わない企業は、応急処置として社員と「同意書」を取り交わし、電話代の企業負担や出勤日のローテーションを決めておくだけでいいという。夜明けは必ず来る。今は社員の命を“いの一番”に考えて決断する時だ。
(2020/4/8 05:00)