(2020/4/10 05:00)
「真面目な話」の前置きだが、新型コロナウイルス感染症の拡大は思わぬところにも余波をもたらす。自動車など工場停止やサプライチェーン(部品供給網)の停滞などはすでに大きな懸念だがコンドームも一部海外メーカーに影響が出ている。
欧州などへのOEM(相手先ブランド)供給を主力とするマレーシアのカレックスが、同国のロックダウン(都市封鎖)による製造停止で製品不足に陥る見通しを表明した。新型コロナの長期化は海外でもうひとつの感染症拡大の懸念をはらむ。
コンドームを使う目的は、避妊とエイズウイルス(HIV)などの性感染症予防だ。国内大手のオカモトによると、同社工場は現時点で「生産に影響はない」という。日本国内では供給不足に陥らないのでまずは安心だ。
コンドームは五輪の選手村で無償配布され、選手間で争奪戦になっているという。東京五輪・パラリンピックの1年延期が決まったが、東京五輪でも日本の業界団体が主導して提供する予定だ。
新型コロナを抑え込み、来年の選手村で、世界から集まる選手への“おもてなし”になれば―。マスクや人工呼吸器のように世界的な争奪戦が繰り広げられる事態とならないことを切に望みたい。
(2020/4/10 05:00)