(2020/4/14 05:00)
歴史ファンにとって日本三名城がどこかは永遠の議論。やれ大阪城だ姫路城だとかまびすしいが、必ず候補に挙がるのが熊本城だ。加藤清正が1607年(慶長12)に足かけ8年かけて完成させた巨城は、西南戦争時に西郷隆盛をもって「清正公に負けた」と言わしめた難攻不落の名城だ。
その堅城に甚大な被害を与えた熊本地震から14日で4年を迎える。大地震が少ないとされる九州で最大震度7を記録した地震は、熊本・大分両県に甚大な被害をもたらし、地域の象徴である熊本城も傷ついた。
平成の世は天災が相次いだ。東日本大震災や阪神・淡路大震災は言うに及ばず、九州でも観測史上最大の降水量を記録した2017年の九州北部豪雨が記憶に新しい。自然の猛威を前にすると人類は立ちすくむしかない。
令和の時代、我々の前に立ちふさがるのが新型コロナウイルスだ。目に見えない厄災は、ある日突然平和な日常を一変させる。ウイルスとの戦いは終わりが見えないだけに厄介だ。
被災した熊本城全域の復旧完了見込みも2037年度と先は長い。市民を守るよう城前に鎮座する清正公像も、心なし退屈そうに見える。いっそ史上有名な虎退治ならぬ“コロナ退治”をお願いしたくなる。
(2020/4/14 05:00)