(2020/4/14 05:00)
早期給付を阻む課題の解決を急がなければならない。
新型コロナウイルス感染症の拡大を受け政府が講じる対策で、デジタル技術の活用が課題となっている。各種申請で必要な証明書類や所得などが、電子データとして即座に把握できないためだ。
政府が7日に打ち出した緊急経済対策は、資金難に直面した中小企業や個人への現金給付などを、オンライン申請できる。ただ、実務を担う地方自治体や国側のデータ連携が未整備で、紙ベースの書類も多い。事務処理に人手や時間がかかり、給付金の支給に時間がかかることが課題となっている。
政府は2019年12月に公表したデジタル・ガバメント実行計画で、「必要なサービスが、時間と場所を問わず、最適な形で受けられるとともに、官民を問わず、データやサービスが有機的に連携し、新たなイノベーションを創発する社会の実現が求められる」と宣言している。
社会保険・税手続きのオンライン・ワンストップ(一本化)申請受け付け機能の追加や、API(応用プログラムインターフェース)の提供へ取り組みも進む。法人向けの行政手続きをデジタル化するため、情報システムも整備されつつある。
カギを握るのが、政府の運営するオンラインサービス「マイナポータル」だ。同サービスを使えばオンラインで行政手続きを申請したり、役所などから通知を受け取ったりできる。既に法人設立手続きのワンストップ化や、18年分の確定申告からパソコンに加えスマートフォンで手続きができるようになった。ただ、今回の給付金申請にマイナポータルの活用は難しい。
システム面以外でも、省庁間の壁が立ちはだかる。所得税は国税庁、住民記録や地方税は総務省、社会保険は厚生労働省などと、縦割りになっている。窓口一本化やAPI連携で横串を通すには、省庁横断的な取り組みが欠かせない。
目先の感染症対策には間に合わないが、中長期の観点からデジタル・ガバメント化を加速してもらいたい。
(2020/4/14 05:00)
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