(2020/4/20 05:00)
ビートルズの解散から50年。今も新しいファンを獲得し続け、この節目に改めてスポットが当たっている。あまたの解散理由の一つに彼らが音楽界にもたらしたイノベーションが挙げられる。
4人一緒にライブで世界中を回っていた時代を終え、彼らはレコーディングの世界に引きこもる。才能に加え時間もカネも十分にあった。当時は高額でスタジオにしかなく、技師や制作者しか扱えない最新の多重録音機材を自ら購入。瞬く間に使いこなして、革新的な音楽を次々と創造した。
楽曲は後から録音を重ねられるので4人で演奏する必要はない。機材の飛躍的な進化もあり、重ねられる音源数が増加。あるメンバーはギターもピアノもドラムも自分で演奏してしまい、怒ったドラマーが脱退しかけたこともあったという。
イノベーションは「破壊と創造」とも言い換えられる。バブル崩壊後、日本の失われた10年、20年で破壊こそいくつも挙げられるが、創造はいったいどれだけあっただろう。
ビートルズはその創造性のすごさ故か、自ら解散という破壊に至ってしまったが、その後の50年もなお輝き続けている。そろそろ日本の産業界からも、そんなイノベーションが起きてくれないだろうか。
(2020/4/20 05:00)