(2020/4/23 05:00)
政府が新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言を発出して2週間が過ぎた。企業が在宅勤務やテレワークを進めたこともあり、街中や通勤電車からサラリーマンの姿が大きく減った。
一方でモノづくりの中小企業は、取引先の要請や生活必需品関連の生産を担い、そう簡単に在宅勤務に対応できない事情がある。
板金加工などを手がける浜野製作所(東京都墨田区)の浜野慶一社長は「従業員の通勤手段を変更した」と明かす。電車・バスを避けて自動車・自転車などにシフトした。「近くに住む従業員同士が自動車に乗り合わせるなど工夫して切り替えにめどがついた」という。
包装機械などのメーカー、印南製作所(東京都足立区)の印南英一社長は「包装・梱包に必要な当社機械の製造を停止させずに継続することが使命」と強調。3工場の合計12フロアで新たな管理体制を敷いた。工場間の往来を一時的に停止し、集団作業を分散し各フロア単位に分ける。仮に感染者が出てもフロアごとの休業で対応する。
見えない敵との終わりなき戦いに経営者の不安は隠せない。従業員の健康を守りながら事業の継続へ、それぞれが知恵を絞り工夫を凝らして、難局を乗り越えようと奮闘している。
(2020/4/23 05:00)