(2020/4/27 05:00)
「クラウドファンディングを利用したいがどうすれば…」。経営コンサルティングの黒船イノベーションズ(東京都板橋区)には、中小企業や個人事業主からの相談が日を追うごとに増えている。
新型コロナウイルスの不況風を受けて、資金繰りに切羽詰まり、国や自治体の金融支援だけでは事業存続の危機を乗り切れそうにない。藁(わら)にもすがる思いで問い合わせてくるケースが多いそうだ。
同社社長で税理士の伊東修平さんによると「来店型のビジネスでは資金調達だけでなく、顧客をつなぎ留める効果も期待できる」。飲食店の中には、出資者に年間割引特典がついた食事券を提供するところもある。
募集の成否はいかに“共感”が得られる情報を発信できるかにある。『寄付型』や『購入型』のクラウドファンディングは、出資者にとって支援先の利益率や将来性は二の次。「自分の資金が誰かの役に立つ。そう直感できるかが決め手になる」と言う。
出資額は平均1万円ほど。スマホで会員制交流サイト(SNS)を使いこなす30―40代が中心層だ。都会では向こう三軒両隣のような助け合いの地域社会が失われて久しい。ネットで広がる草の根の支援に、暗夜で光明をみる思いがする。
(2020/4/27 05:00)