産業春秋／せっけん

「手洗い動画」が話題だ。国内外の著名人が動画配信サイトや会員制交流サイト（ＳＮＳ）で公開し、正しい手洗いの仕方を実践するほか、替え歌やダンスで手洗いの大切さを呼び掛ける。

日本の新型コロナウイルス感染者数は欧州や米国に比べて少ない。手洗い・うがいといった日本人ならではの衛生面での習慣が関係しているのだろうか。科学的根拠が待たれるが、世界保健機関（ＷＨＯ）は「とにかくせっけんによる手洗い」を推奨している。

ウイルスの多くは、リボ核酸（ＲＮＡ）・たんぱく質・脂質で構成され、その中核であるＲＮＡを保護しているのが脂質の膜だ。せっけんはこの脂質を溶かし、ウイルスを不活性化させるという。

京都の老舗旅館「俵屋旅館」は、花王とオリジナルのせっけんを開発した。天然香料をブレンドした香りや品質にこだわったせっけんは全国にファンも多い。昔の貨幣を連想させる包み紙で和菓子のようにもみえる。買いたいと思わせる工夫がある。

大型連休が始まり帰省や旅行の自粛で、巣ごもり生活を続けることになりそうだが、こんな時だからこそ、毎日使うせっけんをはじめ身近なモノにお気に入りや楽しみを見つけ、気持ちを明るくしたい。