(2020/5/15 05:00)
感染対策と経済活動の両立へ、官民で取り組みを続けなければならない。
政府は14日、新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言を、北海道、東京、大阪など8都道府県を除き解除した。4月16日に緊急事態宣言を全国に拡大して以降、自粛活動に取り組んだ成果といえる。解除を見送った都道府県については引き続き外出自粛などの継続を求め、21日に再度、解除を判断する見込みだ。
解除された39県は、学校などを再開する一方で、経済活動の正常化を模索することになる。欧米では、経済活動を再開したとたんに感染者が再発する傾向も見られる。密接・密集・密閉の「3密」回避に気を緩めることなく取り組む必要がある。
産業界も緊急事態の解除後へ3密を招かない方策を考えなければならない。在宅勤務や時差出勤で通勤ラッシュを避け、オフィスや工場内の空間確保や顧客とのウェブ会議・面談システムの準備など実情に応じた対応が求められる。中小企業もできる限り取り組みを加速したい。
飲食や旅客輸送、宿泊など各種サービス業の低迷が長期化するのは必至だ。耐えられなくなる企業の続出が懸念される。世界経済の停滞で、大企業でも赤字転落に陥るところがある。
安倍晋三首相は14日、第2次補正予算案の編成を指示した。雇用調整助成金の上限を1日1万5000円まで引き上げ、従業員自身が賃金減少分を直接受け取れる制度の創設、家賃支援への給付金制度の創設、大企業や中堅企業への資本注入などを検討している。雇用を維持し、企業の破綻を防ぐには、すでに瀬戸際のタイミングである。政府は十分な額を早期に取りまとめてもらいたい。
緊急事態宣言の全面解除が、経済回復への第一歩となる。国民一人ひとりが、すべきことを果たしていきたい。ワクチンや治療薬などの治療方法が確立されるまで、新型コロナとの付き合いはまだまだ続く。感染症対策と経済活動を両立させる、新しい生活様式を定着させていきたい。
(2020/5/15 05:00)
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