(2020/5/19 05:00)
近年、産業界では社会貢献活動を、事業とは切り離した寄付や植樹などといったことだけでなく、収益を上げながら社会課題を解決する方向へと転換する動きが見られる。
建設機械レンタルのアクティオ(東京都中央区)は、新型コロナウイルス感染症で懸念される医療施設不足を踏まえ仮設型ユニットハウス「仮設陰圧ハウス」を開発した。
換気用HEPAフィルターや小型集塵機付きエアシャワーなど、同社が扱う製品を集めて短期間で製品化にこぎ着けた。どこにでもすぐに設置でき、中長期間使用できる。すでに問い合わせ件数は100件、受注も数十棟とビジネスに結びついている。
中小企業の中でも、縫製や繊維加工技術を生かして抗菌性やデザイン性に優れるなど特色のあるマスク生産に乗り出す企業や、樹脂加工技術でフェースシールドやアクリル樹脂の間仕切りを開発したり、金属加工技術で電車のつり革を直接持たずにすむ補助具をつくったりする企業なども登場している。
いずれも自社のノウハウをもとに、社会的課題の解決に協力し、自社の事業にもつなげようと創意工夫を凝らしている。経済活動がうまく展開できない今だからこそ、こうした取り組みに前向きでありたい。
(2020/5/19 05:00)