(2020/5/22 05:00)
外出自粛緩和で車に給油しようと、2カ月ぶりにセルフスタンドへ。給油中に料金表示を眺めていると価格が随分と安い。故障かと焦ってレシートと価格ボードを確認すると「レギュラー105円、軽油80円」の表記。3月の記憶から3割以上値下がりしていた。
ある老舗はかりメーカーで聞いた「はかり乱れる時、世の中乱れる」という言葉を思い出した。はかりは古代エジプトの古文書にも描かれ、古くから商工業や科学の発展に欠かせない道具。日本には590年頃に中国から伝来したという。公正取引の象徴として弁護士バッジにもデザインされる。
世界で「アフターコロナ」「ウィズコロナ」が語られ、ひとまずの収束ムードも漂う。国に先行した「大阪モデル」「東京アラート」や、海外では日本と桁違いの感染者数と死者数などがベースの出口戦略が示されている。
検査件数の誇示、先進国中で圧倒的に感染者が少ないなど各国指導者の自画自賛は勝手だが、都合のよい数字は見飽きた。
第2波への備えや後世のためにも、各国ごとに乱れた基準を整え、世界の実態を把握する“はかりの統一”が必要だ。本来なら世界保健機関(WHO)がその役割を果たすべきなのだが…。
(2020/5/22 05:00)