(2020/5/26 05:00)
診療所の医師から、在宅勤務や外出自粛が長期化し、昼夜逆転などで体調を崩す人が増えていると聞いた。急な環境変化に適応できず、過剰なストレス状態に陥ってしまうそうだ。
在宅勤務では出社勤務時と生活のリズムを変えず、オンとオフの切り替えが大事になる。通勤時間がない分、朝寝坊したり、夜半まで仕事に根を詰めたりする毎日では「燃料切れ」を起こす。
国際宇宙ステーションは、究極の閉鎖環境の中で冷静な判断と正確な作業が要求される。クルーはストレスをどう紛らわせているか。厳しいメンタルトレーニングを積んだ猛者たちも命の危険と隣り合わせの宇宙では緊張の連続だ。
「忙しい時こそ少し心にブレーキをかける」「毎日の小さな成果を実感しながら日々のプロセスを楽しむ」「肩の力を抜くためユーモアを忘れない」。167日間の連続宇宙滞在を経験した古川聡さんは、自著『宇宙飛行士に学ぶ心の鍛え方』で自身のストレス対処法を紹介する。
緊急事態宣言は解除されたが、社会的距離の確保など非日常は続く。こんな時こそ、家族との他愛のない会話や他者へのおもいやりの心で日常感覚を保ちたい。新型コロナウイルスとの持久戦では、心の「免疫力」が支えになる。
(2020/5/26 05:00)