(2020/6/29 05:00)
専門家から「ウイルスとして賢い生存戦略」との嘆息がもれる新型コロナウイルス。克服は長期戦になると分かってはいても、つくづくしぶとい。
緊急事態宣言が全面解除されたのに続き、都道府県の境を気にせず移動できるようになって10日が過ぎた。東京都ではこのところ、新規感染者数が50人前後となる日が続く。本格的な第2波ではないものの、感染経路が追えない人の数が多いのは気にかかる。
ウィズ・コロナを考えた時、テレワークの意義の変遷が興味深い。当初はワークライフバランスが目的としてあり、そこに東京五輪・パラリンピック大会期間中の都心の混雑緩和が加わった。さらに新型コロナ対策として本格的な実施に各社が踏み出し、社会に定着しようとしている。
感染症は新型コロナが拡大する前から、国内外の政府当局者や研究者の間では、今世紀の一大テーマとして認識されていた。しかし、政府全体や国民にまで被害の深刻さや対策の必要性が浸透していたわけではない。
新型コロナは克服したとしても社会に常在するだろうし、また別の感染症が発生しておかしくない。今回得られた知見と教訓を踏まえ、官民で諦めず、投げ出さず着実に対峙していくほかない。
(2020/6/29 05:00)