(2020/7/1 05:00)
働き方の多様化に伴い、労働安全対策も見直しが必要だ。労使双方が新時代への意識を持ち、取り組んでもらいたい。
きょうから「全国安全週間」が始まる。2019年の労働災害による死亡者数は845人(前年比64人減)と過去最少を更新した。製造業で対策が進んだ。一方で、飲食店や介護施設などの死傷者数は増加している。非正規労働者が多く、安全教育が不十分なのが要因だ。
新型コロナウイルス感染症で急速に普及した在宅勤務、サテライトオフィスなど、出社しない働き方は、労働安全の確保に再検討を迫っている。
厚生労働省はテレワークに関するガイドラインで「テレワークにおける災害は、労災保険給付の対象となる」と明記するが、「私的行為など業務以外が原因のものは災害と認めない」としている。どういう行為が業務か私的行為かなど、線引きは難しい。会社は社員の家庭内の安全確保にどこまで関与すべきかなど、対応が悩ましいケースもある。
会社にはテレワークを行う従業員にも、労働関係の法令が適用されることを理解し、適切な環境整備に取り組む責任がある。あらかじめ労使で協議し、合意しておくことも必要だろう。
60歳以上の労働人口が増加するなかで、高齢者への配慮も不可欠となっている。19年の労働中の全死傷者のうち、60歳以上が占める割合は26・8%で年々増加している。中でも、中小企業での発生頻度が高く、対策は急務だ。
厚労省は本年度から、高齢者を雇用する中小企業が職場環境の改善対策を施す際に、最大100万円を補助する制度を始めた。階段への手すり設置や、照度を高める照明の導入などに加え、接触を減らす機器の導入などの新型コロナ対策も対象となる。こうした制度を活用し、職場環境の改善に取り組んでもらいたい。
コロナ禍を契機に働き方の多様化が加速し、安全対策も多様化が避けられない。安全な職場づくりへ、より広い視野が必要になっている。
(2020/7/1 05:00)
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