(2020/7/15 05:00)
コロナ禍は「圧倒的に『東京問題』と言っても過言ではない」と菅義偉官房長官が言えば、「『Go To キャンペーン』は、冷房と暖房を両方かけているようなもの」と小池百合子東京都知事が皮肉る。不毛の応酬に国民・都民はうんざりしている。
14日の東京の新規感染者数は143人と、6日連続100人超え。病床数も徐々に埋まりつつある。新宿や池袋を担当する保健所の疲弊は深刻だ。もはや一刻の猶予もない。言い合いより、対策が聞きたいとだれもが望んでいる。
多くの病院で、今夏のボーナスが減額され、なかには病院経営側がゼロを提示し、労使協議が紛糾している病院もある。コロナ患者を受け入れた病院ほど、経営が苦しいというデータもある。
今後感染者が増加すれば、重症者も増えるのは避けられない。病床がひっ迫し医療崩壊の瀬戸際で奮闘する病院が、経営危機で存立を危うくするという事態は、不条理そのものではないか。
東京問題は、近い将来「日本の問題」となる。「国はこれをやる。都はこちらをやってくれ」「都がやるが、それにはこんな課題がある」と真っ正面から協議するのがあるべき姿だ。押し付け合いでは、何の解決にもならない。
(2020/7/15 05:00)