(2020/8/4 05:00)
企業のなかで、新型コロナウイルス感染症の検査を独自に行うところがでてきた。先陣を切ったのは、ソフトバンクグループ。グループおよび取引先社員を対象に、抗体検査を実施した。
日立製作所も社員が会社でPCR検査を受けられる体制を整えた。海外出張先から陰性証明を求められるケースを想定している。日本ペイントホールディングスも、社員の希望者全員がPCR検査を受けられるようにする。
いずれも社員や社員の家族の健康を守りたいという思いからだろう。感染者が発生すると、事業継続に重大な影響を及ぼすため、リスク管理という観点もある。ただ、これらの検査にはコストが発生する。PCR検査は自費なら1件当たり3、4万円かかる。体力のある企業なら可能だが、中小企業には難しい。
専門家によれば、陰性証明にあまり意味はないという。検査をした時点でのウイルスの存否であることと、偽陰性が一定の比率で発生するからだ。
企業がとるべきは、社員に体調管理を徹底させ、具合が悪ければ休ませる。在宅勤務を奨励し、社内で“3密”を回避する、といった基本的な行動の実行だ。検査や陰性証明が前提では企業活動は回らない。
(2020/8/4 05:00)