(2020/8/12 05:00)
テレワークの普及に伴い「1on1ミーティング」を導入する企業が増えている。定期的に上司と部下が1対1で30分ほど、仕事や個人的な悩みを話し合う。
ソフトウエア開発のサイボウズでは、1on1を「ザツダン」と呼び、何でも気兼ねなく話せる機会を設けている。仕事の悩みや体調のこと、面白かったテレビ番組など、私生活の出来事まで話題になる。若手の定着率を高める効果もあるそうだ。
景気の変動で多少の増減はあれ、大卒社員の約3割が入社3年以内に辞める傾向は変わらない。採用側にとっても大きな痛手だ。1人が辞めると採用費と人件費を合わせ約1500万円のコストが発生するとの試算も。
社会貢献意識の高まりなど若者の価値観の変化は見過ごせない。2020年版『子供・若者白書』によると「社会のために役立ちたい」と考える若者が約7割を占め、具体的には「職業を通して」が最も高率。
1on1のコツは「上司が聴き役に回ること」。時には厳しい指導もしなければならないが、信頼関係が土台にあれば、部下の成長欲求を満たし、定着率向上につながる。「いいからオレに付いてこい型」の上司は、コロナ禍で絶滅の危機にある。
(2020/8/12 05:00)