(2020/9/7 05:00)
新型コロナウイルスの感染防止は、省力化・自動化を得意とするロボット業界にはチャンスとなる。遅れているサービス業の自動化に結びつけたい。
コロナ対策で特に影響が大きいのは、対面接待を伴うサービス業だ。飲食や小売業などは接触を抑制しながらサービスを維持する方法を模索している。日本の優れたロボット・省力化技術なら、こうした需要に応えられる。
すでに、いくつかのヒントは見えている。例えば外食産業で、コロナ禍の中でも健闘しているのは持ち帰りに強いファストフード分野の企業だ。これらの店舗は多種多様なメニューを扱わず、サービス提供の形態もマニュアル化している。省力化機器メーカーにとって相性のいい事業形態といえる。
他の外食産業でも今後、対面サービスを抑制しながら限定したメニューを提供する業態が登場するかもしれない。調理ロボットだけでなく、代金の受け渡しを電子マネー化するなどの省力化も考えられる。
アパレル業界でも、スマートフォンのアプリでサイズなどを選び、仮想的に試着する技術が登場している。店頭に仮想試着装置を設置し、来店客が色や質感を確かめながら商品を選ぶ仕組みにすれば販売員との接触を減らし、安心感を高められる。
サービス業の生産性の低さは以前から指摘されてきたが、自動化・省力化は進まなかった。店舗と客の双方が、対面サービスに依存してきたためだ。一方でサービス業の従業員の賃金は伸び悩んでいる。
近年、スーパーのセルフ精算レジや外食店のドリンクバーなどが普及し、利用客に認知されてきた。コロナの収束が見通せない中ではロボット化・自動化の試みも消費者の理解を得やすい。各企業が工夫を凝らしてほしい。機器メーカーは、こうした動きを新たな市場ととらえ、市場のニーズに合わせた商品開発を進める必要がある。
安全性の担保に標準化作業も必要だ。官民が連携して世界に提案できる規格策定を進めてもらいたい。
(2020/9/7 05:00)
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