(2020/9/15 05:00)
日本の新たなリーダーが事実上決まった。国難とも言うべき状況が続いている。まずは人事で真に実行力のある政権づくりへの覚悟を示してもらいたい。
自民党の両院議員総会で投開票が14日行われ、菅義偉氏が圧倒的な支持で新総裁に選出された。菅新総裁は16日に召集する臨時国会で、首相に指名されることになる。
7年8カ月にわたる安倍政権を官房長官として支えてきた菅総裁には、政策の課題がはっきり見えているはずだ。総裁選では「役所の縦割り、既得権益、あしき前例主義をぶち壊して、規制改革を実践する」と述べた。ぜひ実現してもらいたい。
本気度を計る機会はすぐに到来する。自民党役員・閣僚人事だ。改革を断行するには、派閥の意向を排し、真に実力のある人を適材適所に配置する必要がある。菅氏は霞が関官僚との対立も辞さずの姿勢を示してきたが、真に戦うべき相手は与党内にある。人事で党内に忖度(そんたく)するようでは、今後の改革はおぼつかない。
新型コロナウイルス感染の拡大阻止と、経済の再生が目下の課題だ。そのためには、冬までに検査の拡充と医療体制の強化を確実に実施しなければならない。補正予算の予備費を有効活用してもらいたいが、単に資金を投じるだけでは問題は解決しない。省庁、自治体が協調して取り組むには何が必要か。菅氏が最もやりたいと言う、地方分権を実行する上でも、コロナ対応は試金石となる。
経済の活性化へ雇用の維持も喫緊の課題だ。雇用調整助成金の給付や実質無利子・無担保融資を着実に実行するとともに、国民の消費マインドが上昇するよう、先行きに安心感を示す必要がある。
菅氏の総裁任期は1年だが、よもやそれで退こうとは思っていまい。今後誕生する菅政権は、日本をどういう姿へ導こうとしているのか、グランドデザインを早期に提示し、改革への道筋を示してもらいたい。痛みを伴う改革であればあるほど、国民や産業界の理解と行動がなければ前進できない。
(2020/9/15 05:00)
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