(2020/9/16 05:00)
11月に投票日を迎える米大統領選はおよそ1年間。その過程で見識や能力、知名度を高め、トップ候補を作り上げていく。選挙戦そのものが国民の関心を高めるショーでもある。
きょうの臨時国会で首相に選任される自民党の菅義偉新総裁。安倍晋三首相の突然の辞意に伴うとはいえ、総裁選は7日間だけ。しかも当初から独走が報じられ、他候補との日本記者クラブでの討論会も議論が深まったとは言いがたい。
もっとも官房長官として毎日、記者会見をしてきただけに国民の認知度は抜群。産業界の評価も極めて高く、外交を得意とした安倍首相に対して内政は菅長官がまとめてきたという声もある。
「私はたたきあげ」「地縁血縁のないゼロからのスタート」と、地盤もなく世襲でもないと強調してきた。ひと昔前ならば“党人政治家”と評されたろう。ふるさと納税の発案など現場志向の政治姿勢や、官僚機構に厳しいことでも知られる。
米大統領選に比べて民意を反映しにくいと批判されがちな日本の首相選びだが、菅総裁は唐突感もなく、人柄もそれなりに認知されている。補佐からトップになって、実力が発揮できるかどうか。きょうの首相指名がスタートだ。
(2020/9/16 05:00)