(2020/9/22 05:00)
英国中部で作られるブルーチーズ「スティルトン」は、フランスの「ロックフォール」、イタリアの「ゴルゴンゾーラ」と並び、世界3大ブルーチーズと称される。エリザベス女王の好物としても知られる。
日本と英国は、日英包括的経済連携協定(EPA)で大筋合意した。英国が欧州連合(EU)離脱後に主要国と締結する初のEPA。日本から英国への自動車・鉄道部品などの関税が即時撤廃され、乗用車も段階的に引き下げ2026年にゼロになる。
英国から日本への輸出品目で、最後まで交渉が難航したのが、スティルトンなどの英国産ブルーチーズの関税引き下げだった。乳製品の輸出拡大に意欲を燃やす貿易大臣が強く主張したという。
英国では「スティルトンのために、英日交渉が壊れそう」などと、チーズ関税にこだわる政府へ批判の声も上がった。最終的に新たな関税割り当ては設定せず、EU加盟国産向け輸入枠に余剰があれば、低関税を保証するという日本側の主張が通った。
しっかりした塩味と深いこくがスティルトンの特徴。日本酒との相性もよさそうだ。秋の夜長、英国人がこよなく愛するチーズをさかなに、日英関係のさらなる深化に思いをはせようか。
(2020/9/22 05:00)