(2020/10/21 05:00)
新しい時代の暮らしや社会を見せる好機である。新型コロナウイルス感染症の拡大で激変する展示会のあり方を示すことにもつながる。
家電やITの最新技術を披露する展示会「シーテック2020」が20日開幕した。今回はコロナ感染を踏まえ、オンライン開催を採用した。コロナ後の「ニューノーマル」時代を予見させる展示や、デジタル化がもたらす利便性を紹介する見どころの多い展示となっている。
しかし、開幕直後から入場サイトにアクセスが集中し、一時入場が制限される事態となった。20万人の来場を想定していたので、サーバー確保など受け入れ態勢は整えていたが、対応しきれなかった。「オンライン開催は問題が多い」といったイメージが持たれないよう主催者は状況を検証し、スムーズな運用に努めてもらいたい。会期は23日まである。
オンライン展示会の利点は、日本のみならず世界のどこからでも時間と距離を超えて参加ができるという点だ。一方で臨場感や担当者と直接会話ができないという課題もある。各社が創意工夫し、オンラインならではの利点を伸ばし、課題を軽減するよう競い合ってもらいたい。
日本国際工作機械見本市(JIMTOF)も今回はオンラインによる開催となった。2年に1度開催するJIMTOFは世界有数の規模で、最新技術の展示に加え、世界から来場するバイヤーとの商談の場ともなっている。オンライン商談がどれだけ成果を出せるか、こちらも各社の努力が試される。
一方で実際に展示場に行き、直接見ることで伝わる迫力などリアル展示の良さもある。幕張メッセは収容人員を50%に絞るなどの対応で、展示会の受け入れを行っている。東京ビッグサイトは東京五輪・パラリンピックの1年延期で、主要エリアが展示会場として活用できない状況が来年まで続く。
コロナ後の展示会は、オンラインとリアル展示双方を有効活用してビジネスチャンスを拡大するという発想が必要になる。各社の知恵の出しどころだ。
(2020/10/21 05:00)
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