(2020/11/24 05:00)
伝統建築には一筋の光明だろう。ユネスコ(国連教育科学文化機関)の評価機関は、修復に必要な「工匠の技」を無形文化遺産に登録するよう勧告した。12月中旬にパリで開催される政府間委員会で正式決定となる見通し。
「伝統を未来につなげる会」(京都市左京区)専務理事の大江忍さんは登録に向け活動の先頭に立ってきた。「小さな穴かもしれないが、穴を開けることに意義がある」。3万人を超える署名集めなど5年間にわたる努力が報われ胸をなでおろす。
登録が勧告されたのは、歴史的建築遺産の保存に欠かせない伝統技術の大工や畳製作、かやぶきなど17件。「庭屋一如」として伝統建築と切り離せない造園や石垣普請などは審査が複雑になるため除かれた。
木造の伝統建築は、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の趣旨にかなう。森林資源や経済の地域内循環、環境の持続可能性などにつながる。コロナ禍では自然換気ができるのも利点だ。
職人の高齢化と後継者難で「工匠の技」は先細りの危機にある。一人前の職人に育つには10年かかる。「ユネスコ登録で職人に光を当てたい。子どもたちが職人になりたいと思ってくれたら」。大江さんの切なる願いだ。
(2020/11/24 05:00)
総合1のニュース一覧
- 日産、「ノート」刷新 HV専用車に 反転攻勢けん引の主力車種(20/11/24)
- 生産ライン構築・計画変更、AIで10倍速 NEC・産総研が日産と実証(20/11/24)
- ガス協会、ガスの脱炭素化推進 水素・メタネーション活用(20/11/24)
- 周辺機器・商社積極参加、オンラインで強み発揮 JIMTOF2020オンライン(20/11/24)
- 江崎グリコ、“本気で育児を” 男性の育休1カ月必須化(20/11/24)
- 知能技術、ロボ自動操縦ソフトを開発 建設現場・物流を省人化(20/11/24)
- 新型コロナ対応力ランキング 総合力発揮 ドコモ首位(20/11/24)
- 工作機械、5月底に回復基調 5G投資活発・中国けん引(20/11/24)
- ジェイテクト、軸受工程を再編 生産性向上(20/11/24)
- 産業春秋/工匠の技を無形文化遺産に(20/11/24)