(2020/12/11 05:00)
母国の英雄が紙幣で“復活”か―。11月に急逝したアルゼンチンの元サッカー選手ディエゴ・マラドーナ氏が、母国の紙幣になるかもしれない。1000ペソ(約1280円)紙幣の肖像にマラドーナ氏を採用する案が浮上。来年初めの議会で審議される。
同氏は1986年のワールドカップで母国を優勝に導いた英雄。天才的なテクニックで見る者を魅了し、今でも国内外に熱狂的ファンが存在する。
サッカー界のスターの死去は世界中の人々に衝撃を与え、同氏の功績をたたえる動きが広がる。かつて所属したイタリア1部リーグのナポリは、スタジアムの名称を「ディエゴ・アルマンド・マラドーナ競技場」に改称した。
近年、アルゼンチン経済はマイナス成長が続き、新型コロナウイルス感染症でさらに苦境にあえいでいる。インフレが加速し、貨幣価値は急落。コロナ禍でキャッシュレス化も急速に進展している。
そんなご時世にあっての、マラドーナ紙幣の登場だ。国民はもちろん、旅行者にとっても記念品として大きな魅力になるかもしれない。英雄の紙幣で経済回復を、というのがアルゼンチン政治家の思惑なのか。死してなお“アシスト”を期待されているようだ。
(2020/12/11 05:00)