(2020/12/18 05:00)
電子情報技術産業協会(JEITA)が毎年、発表する「世界生産見通し」。数値を見ていると、やるせない気持ちになる。
新型コロナウイルスの感染流行により、世界のIT産業の2020年生産額は3兆ドルの大台を前に足踏みした。それでも前年比2%増だ。しかし日系企業は同5%減の縮小。21年予想でも世界の同7%増に対し、日系は同3%増にとどまる。要するに“置いてきぼり”である。
JEITA会長の石塚茂樹さん(ソニー副会長)は「成長したのは半導体とソリューション。日本はそこが伸び悩んでいる」と説明する。さらにコロナ禍で「工場自動化の先延ばしや、自動車向けの低迷も大きな要因」という。
理由は他にもある。日本のIT産業の顧客の8割は海外を含めた日系企業。世界の潮流に乗り切れていない。この悩ましい状態が、もう十数年も続く。
JEITAが同時にまとめた「ITリモートの分野別需要額見通し」では、内外とも年平均15%の急成長。中でも比率の高いのはインダストリー分野で、遠隔操作など工場の自動化投資は、30年に3兆円弱と、現在の4・4倍になる見込み。この分野を奪われないよう、日本勢に奮起してもらいたい。
(2020/12/18 05:00)
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