(2021/2/4 05:00)
関西経済界の一大イベント「関西財界セミナー」が4日に開かれる。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、緊急事態宣言発令期間中の開催となるが、財セミの持ち味である自由闊達(かったつ)な議論を望みたい。
59回目の財セミは期間を2日から1日に短縮、初のオンライン開催となる。参加人数も前回の7割弱を予定する。ただコロナ禍で世界が大きく変わる中、多くの関西経済人らが直面する課題に対し、率直な意見交換をすることは意義がある。関西経済連合会とともに主催団体である関西経済同友会の深野弘行代表幹事は「課題山積の今こそ(財セミは)やらなければならない」としている。
今年のテーマは「危機を乗り越えて創る未来 関西の底力を発揮するとき」。議論する6分科会のうち、3分科会のテーマに「コロナ」の文字が入り、どの分科会でもコロナについて話し合われる。経済人だけでなく、行政や大学の関係者らも議論に加わる。
特定会場に集まりワイガヤで議論する従来方式ができず、オンライン開催でどれだけ盛り上げられるかは未知数だ。ただ米国シリコンバレーのベンチャーキャピタリストなど海外から初の参加者も加えるなど、オンラインならではの工夫もした。
財セミは経済人自らが問題提起し、参加したメンバーが本音で議論するスタイルを重視する。財セミがスタートした1963年当時、「東京には財界があるが、大阪には企業しかない」と揶揄(やゆ)されたこともある。
地道に回を重ね、来年で60回を迎える関西財界の冬の風物詩になった。財セミで深く議論された地方分権問題は昨年10周年を迎えた関西広域連合の発足にもつながった。
テーマに盛り込まれた「関西の底力」は民の力、関西のDNAともいえる商人魂を、現在の危機下でどう発揮するかが問われているともいえる。
結論ありきのまとまった議論でなく、互いに悩みながらも泥臭く課題を共有し、参加する多くの経済人が経営の糧になるような中身にしてほしい。
(2021/2/4 05:00)
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