産業春秋／Ｔｏｋｉｗａ―Ｓｏｕ

「トキワ荘」といえば、日本を代表する漫画家が過ごしたアパートとして有名。これとは別の「Ｔｏｋｉｗａ―Ｓｏｕ（トキワソウ）」が東京都板橋区に誕生した。夢に挑戦する若者が集うシェアハウスだ。入居資格は夢に対する「本気度」。選ばれれば家賃や光熱費が無料な上に、米と焼酎もタダで、夢に全力で取り組む環境が得られる。

ひとづくり（東京都板橋区）の鈴木雄二社長が学び合える場をつくり社会に貢献したいとの思いから、このシェアハウスを提供した。現在、４人の若者が入居を始めている。

ボクシングジム開設を目指す、難病を患いながら俳優を志す、経営者だった父親の急逝による苦境から起業を計画する、など夢はさまざま。共通するのは夢にかける本気度。彼らを選んだ理由を鈴木社長は「目つきを見ただけで、やる気が分かった」と語る。

それぞれが夢に取り組みながら、夜になると酒を酌み交わし、夢を語り合うという。入居者の１人は「切磋琢磨（せっさたくま）する環境で、負けるもんかというモチベーションが高まる」と目を輝かせた。

入居期限はなく、やる気がなくなったと判断されれば出て行く契約という。夢を実現して堂々と巣立ってほしいと願う。