産業春秋/黄砂とウイルス

(2021/3/30 05:00)

コロナ禍は、海外との人の往来を大幅に減らした。空港検疫が強化され、PCR検査や入国後14日間ホテルなどで待機することが求められる。そんな対応はお構いなしに、今年は特に大量に大陸から押し寄せている。黄砂のことだ。

黄砂は、ユーラシア大陸内陸部の乾燥した砂漠地帯から、強風で数千メートルの高度にまで巻き上げられた土壌・鉱物粒子が偏西風に乗って飛来する現象。

気象庁はここ数日間に、大量の黄砂が到来するとの予報を出した。見通しが悪くなり、交通機関の運行に影響が生じる可能性もある。黄砂には土壌起源ではないとされるアンモニウムイオン、硫酸イオンなども含まれ、ぜんそくなど健康への影響も心配だ。

大陸を運ばれる途中で、大気汚染物質を取り込んでしまったことが原因とされる。古来和歌などで詠まれる「春霞(かすみ)」は、実は黄砂だったという説もあるが、現代の春霞は凶暴化している。

コロナ禍でやっかいなのは、換気との関係。コロナ対策では換気が推奨されている。しかし、換気で室内に黄砂が入り込むと、部屋が汚れるだけでなく、精密機械に微粒子が入り込み、不具合の原因にもなる。ウイルスに黄砂。悩み深い春がまだまだ続く。

(2021/3/30 05:00)

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