(2021/4/16 05:00)
安全保障と経済の両面で、協調関係を再確認したい。
菅義偉首相はきょう、米国のバイデン大統領とワシントンで日米首脳会談に臨む。首相は同大統領の当選時と就任後、2度にわたり電話で会談しているが、直接の会談は初めて。
バイデン大統領は、就任後初の会談の相手として菅首相を選んだ。両国の緊密な関係と重要性を物語る。
日米間の強固な同盟は、日本の外交の基盤である。首相はこの貴重な機会に、内外の諸問題に協調して取り組むことを再確認するとともに、バイデン大統領との個人的な信頼関係を深めることが望まれる。
両国が議論すべきテーマは、まず新型コロナウイルス感染症で大きな打撃を受けた世界経済を今後、どう立て直していくかである。各国が巨額の財政出動に動いた結果、世界経済は実需の低迷とカネあまり、人的交流の停滞など、かつてない歪な状態にある。半導体供給など国際間のサプライチェーンを安定させると同時に、過剰な流動性が極端なインフレを招かぬよう、日米が主導的役割を果たさねばならない。
軍事と経済の両面で自信をつけた中国と、どう向き合うかも重要な課題だ。米国は対立姿勢を強めつつある。日本は米国と歩調を合わせると同時に、東アジアの隣国である中国と相互理解を深め、国際ルールに沿うよう訴えていくべきだ。
地球環境問題への対処や多国間経済連携の構築などで議論を深めてもらいたい。日本としては、目前に迫った東京五輪・パラリンピックや、福島第一原子力発電所の処理水海洋放出などでも米国の理解と支持を確認したい。
かつて米国のマンスフィールド駐日大使が日米を「世界で最も重要な2国間関係」と評した当時、両国間には通商や商習慣を巡る大きな立場の違いがあった。その後、両国の政府と産業界の努力で溝は埋まり、今日まで極めて良好な関係を続けている。日本経済発展のためにも、日米首脳会談が実り多いものであることを望む。
(2021/4/16 05:00)
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