(2021/4/28 05:00)
テレワークによるデジタル疲れを軽減して、生産性を高めるために、適宜、パソコンから離れて休憩することも重要な仕事のうちと考えよう。
4都府県への緊急事態宣言が25日に発令され、再びテレワークへのシフトに拍車が掛かっている。コロナ禍において、ビデオ会議で社内外と意思疎通するのはもはや当たり前となっていて、その利便性を働き方改革につなげる企業もある。だが、長引くコロナ禍でデジタル疲れや会議疲れも顕在化している。
「ビデオ会議が一つ終わると次の会議が始まる」。こうした状況でのストレスに対する解決策を探るため、米マイクロソフト(MS)ヒューマンファクターズ研究所が行った実証研究が興味深い。
脳波(EEG)計測機を装着した人たちにビデオ会議に参加してもらい、脳の電気活動をモニターして、休憩なしで会議を連続で行った場合と、会議と会議の合間に5分程度休憩を入れた場合などを比較した。
その結果、「会議と会議の合間に休憩を入れることで脳がリセットされ、会議で徐々に蓄積するストレスを和らげる」などが明らかとなった。
休憩なしで会議から次の会議に移ると、脳内のストレスを示すベータ活動が急上昇した。これに対して、休憩時間に瞑想(めいそう)した人は、上昇していたベータ活動が低下し、次の会議が始まり再び上昇しても、緩やかでスムーズな動きだったという。
休憩をとらずに会議を複数こなす人の脳波をみると「会議中に離脱状態にある」ことも確認され、忙しさに任せて休み無しで会議を続けると、生産性が下がることも分かった。
休憩効果は想定内ともいえるが、科学的に実証されると腹落ちする。MSの研究者は「人が内面で現象として体験することを、効果的に見える化したことに意義がある」と指摘する。
会議時間を5分縮めて休憩に充てるなど、ちょっとした習慣付けで仕事の効率は上がる。ひと息つくことで脳の活動は変わることを、テレワーク時代の学びとしたい。
(2021/4/28 05:00)
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