産業春秋/真の敗因

(2021/6/7 05:00)

新型コロナウイルスの高齢者へのワクチン接種が軌道に乗りつつある。その半面、予約の電話やネットがつながらないなどの不具合もあり、前途多難を感じさせる。

経済協力開発機構(OECD)が2021年の実質経済成長率の見通しを改定した。世界全体では3月時点の予測を0・2ポイント上方修正して5・8%に。国別では米国が0・4ポイント上方修正の6・9%を見込む。対して日本は0・1ポイント下方修正の2・6%。

日米で明暗が大きく分かれた理由は、ワクチン接種の差だ。経済政策ならともかく、保健行政が所管外であるOECDから「各国に比べて遅い」と指摘されるのは、屈辱的ですらある。

海外経済の改善で、日本の生産や輸出は回復傾向。外需が経済成長のけん引役になるだろう。一方で緊急事態宣言は2度にわたって延長され、店舗やイベントの営業時間短縮や休業が続く。消費回復は先送りされるばかり。

周回遅れの現状に対して不満が募る。日本の真の敗因は、必要になってからシステムを構築しないとワクチンも給付金も国民に届けられない行政の非効率にある。コロナの変異株との戦いは、まだ終わりが見えない。日本が負けっぱなしの国であってほしくない。

(2021/6/7 05:00)

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