(2021/6/11 05:00)
東京五輪・パラリンピックを控える今夏は、サッカー界でも注目の国際大会が欧州と南米で開催される。ただ南米の「コパ・アメリカ2021(南米選手権)」は、開幕を目前に二転三転した。
当初はコロンビアとアルゼンチンの共催だったが、政情不安と新型コロナウイルス感染の影響を理由に両国が断念。開幕2週間前に開催地が白紙に戻り、南米サッカー連盟は、新たな開催地をブラジルとした。
国内の新型コロナによる死者数が約47万人と最悪状況の中でも、ボルソナロ大統領が開催を許可したが、感染拡大を恐れる国民や選手から強い批判の声が上がった。開幕は13日に迫るが、行方は混沌(こんとん)としている。
菅義偉首相は9日の党首討論で東京五輪・パラリンピックの開催について「感染防止を徹底する」と言うのみで、観客の有無などの具体的な感染防止策は語らなかった。
コパ・アメリカはわずか10カ国、東京五輪には約200カ国が参加する。なぜ開催するのか、どういう対策で国民や参加者の安全を守るのか。2年ぶりの党首討論は、首相がメッセージを世界に発信する絶好の機会だったのに。開催まで40日余り。国民の気持ちを一つにまとめられないことが残念だ。
(2021/6/11 05:00)