(2021/6/16 05:00)
新型コロナウイルス感染症と国際秩序に従わない国の台頭という共通の課題を前に、自由主義の主要国が結束する姿勢を示せた意義は大きい。ただ、真の評価は今後の各国の行動にかかっている。
主要7カ国首脳会議(G7サミット)が首脳宣言を採択し、閉幕した。公正な競争市場、人権や基本的な自由、法の支配といった民主主義に基づく価値観を共有する国々が連帯して課題に取り組む姿勢を世界に発信した。2020年に米トランプ大統領(当時)がオンライン開催した時の宣言文はたった1ページだったのが、今回は25ページと充実したのが象徴的である。
宣言では22年までに新型コロナによるパンデミックを終息させる目標を掲げ、途上国への10億回分のワクチン供与を表明した。同時にコロナ禍で傷ついた途上国経済の回復のために1000億ドル(約11兆円)の資金拠出目標を表明した。
影の標的は中国だった。世界第2位の経済大国でありながら、専制主義的な振る舞いを続けることを名指しで批判した。ワクチン供与や大型の資金拠出も、中国が先行して実施していることへの対抗策という意味合いもある。
ただ、中国を孤立に追いやることがG7の目的ではないはずだ。公正なルールに沿った行動へと回帰するのを促し、国際社会で役割を果たせるようにするのが目指すべき姿である。
中国の近隣国である日本の役割が重要だ。今回韓国が招かれたのも中国との関係を考慮してのことだろう。中国の人権問題に毅然(きぜん)とした態度を示しつつ、地球温暖化対策など、イノベーションと投資が必要な分野では連携するといった硬軟両面での対応が求められる。
産業界にとっても、G7が団結して自由貿易体制の堅持を打ち出したことは歓迎できる。G7が主導して国際協調の枠組みをさらに大きくし、経済格差や保護主義の台頭を排除していかなければならない。
合意した中身を実行していく各国の具体的な行動が問われることになる。
(2021/6/16 05:00)
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