(2022/1/10 05:00)
2022年4月から中小企業にも女性活躍推進に向け行動計画の策定などが義務づけられる。人材の多様化で不確実な時代を生き抜く力を高めたい。
義務化は改正女性活躍推進法に基づき、101人以上300人以下の労働者を常時雇用する企業が対象。具体的には女性社員の活躍状況を把握し、課題を分析した上で数値目標を伴った行動計画を策定する。計画の策定や見直しの際は都道府県労働局へ届け出が必要になる。
行動計画は社員に周知するとともにホームページなどで公表する。義務を怠っても罰則規定はないが、厚生労働省が定める基準を満たした企業は、達成度に応じて3段階の「えるぼし認定」を取得でき、優秀な女性の採用促進や企業価値向上などの効果が期待できる。
中小製造業で女性の戦力化に成功している企業がある。半導体製造装置用ワイヤーハーネスを主力とするササキ(山梨県韮崎市)は、女性が社員の半数を占め、女性管理職の割合は約11%と同業種平均(3・3%)を大きく上回る。
製造部門も女性が半数を占め、ネジ締め、圧着、ハンダ付けなどの重要工程を担う。コロナ禍の休校期間中は会社で子どもを預かり、社員が交代で面倒を見るなど女性社員が働きやすい組織風土を築いている。
女性活躍推進総研(東京都品川区)の石原亮子所長は「女性の能力を先に引き出せた企業が勝ち残る。中小企業はトップがその気になればやりやすい」と慢性的な人材難の時代では女性活用が成長のカギと説く。
女性が働きやすい企業は誰にとっても働きやすい。そうした企業は就活生の好感度も高いはずだ。特に学生時代から国連の持続可能な開発目標(SDGs)を学び「ジェンダー平等」など人権意識が高い学生には魅力的に映るのではないか。
コロナ禍が続き、自然災害は多発する。将来予測が困難な時代に女性ならではの視点や能力を活用したい。感性を生かした商品開発や丁寧な仕事ぶりは、中小企業の持続的な成長を支える原動力になるはずだ。
(2022/1/10 05:00)
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