(2022/12/26 05:00)
年の瀬の風物詩とも言える政府予算案が先週末に閣議決定され、今年も残すところわずかとなった。2022年を振り返ると、岸田文雄政権が従来の政策を大転換せざるを得ないほど、日本の弱さと課題を露呈した1年だったように映る。
一つは防衛費の増額。23―27年度に総額43兆円を計上し「反撃能力」を装備する。東アジアの安全保障上、やむを得ない。専守防衛を掲げてきた日本の防衛力では対応できず、中国の台湾侵攻や北朝鮮も視野に大きな転換を迫られた。
二つ目がエネルギー問題。資源を持たない日本の危うさを鮮明にした。節電要請しなければ電力供給が不安というのは異常事態。原発の再稼働と新増設など、安倍晋三政権で封印された政策の転換は、安定供給と脱炭素を両立するものと評価したい。
物価高を助長した円安は日本経済の競争力低下を浮き彫りにした。「安い日本」からの脱却に向け、高付加価値化と生産性向上がいかに重要かを突き付けられた1年でもあった。
22年の出生者が初めて80万人を割り込む見通しだ。少子化の深刻さがあらためて示された。少子化対策の財源をいかに確保し、子ども予算倍増を実現するのか。新年の課題は尽きない。
(2022/12/26 05:00)
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