(2023/11/20 12:00)
自動車部品生産の自動化を自社開発で手がけたことがアスカのロボットシステム事業の第一歩。1982年、自動溶接ロボットを導入。その後、スズキに直交式のロボットを組み合わせた自動溶接システムを納入したのが、飛躍のきっかけになった。以来、大手部品メーカーを中心にスポット溶接、アーク溶接のシステムメーカーとしての地位を築いた。
大手を中心に実績を積み重ねてきたアスカが中小企業のユーザー獲得に動き出したのが2022年春。中国ロボットメーカーのドゥーボットの正規代理店となった。「資金が潤沢にない中小企業にこそ自動化のニーズがある。コストパフォーマンスに優れた自動化を提案したかった」と営業技術部の長島彰部長は狙いを明かす。
国内ロボットメーカーは性能の高さと実績でユーザーの信用は絶大。しかし導入費、メンテナンス費の負担が大きいゆえ、導入を見送る中小企業は少なくない。
アスカはドゥーボットの性能を検証し、協働ロボットの繰り返し精度がプラスマイナス0・05ミリメートル以下であることを確認。さらに国内ユーザーの納品前にアスカの豊田工場(愛知県豊田市)で動作確認などの検査をして供給している。
「まだピッキングなど、わずかな実績でしかないが、性能については大手からも問い合わせが来るほど」(長島部長)。ドゥーボットによるパレタイジングや飲料などのディスペンサー、さらには靴などの曲面へのデザインや接着ロボットなど幅広い用途を検討する。
「今後はオフラインティーチングが主流になる。人工知能(AI)も取り入れて自動化の提案力をアップする」(同)。機械の干渉や治具精度をデジタルで検証し、納期短縮、さらにコスト競争力を高める。
また「人が飽きやすい単純作業ほど自動化のニーズは高い」(同)として多品種の部品ピッキングをカメラを駆使して画像からプログラムを作成するなど、瞬時に部品を取り分けるロボットなどの開発に注力する。人材不足、資金不足に悩む中小企業の問題解決に同社のビジネスチャンスが広がっている。
(2023/11/20 12:00)
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