(2024/10/25 05:00)
米大統領選を2週間後に控えた22日、国際通貨基金(IMF)は世界経済見通しを発表した。米国が一律10%の追加関税を課し、中国やユーロ圏が対抗措置として同率の関税を設定した場合、世界経済はどうなるのか。そのリスクシナリオが示された点が興味深い。
名指しこそしていないが、一律10%の追加関税は、共和党のトランプ前大統領が掲げる公約の一つだ。この関税に加え、移民政策の厳格化や個人所得減税(トランプ減税)の延長もリスクシナリオの前提としている。
このシナリオ通りなら、世界の実質成長率は2025年に0・8ポイント、26年までに1・3ポイント押し下げられるという。リスクがないベースラインの予測では、世界の実質成長率は25年に3・2%と、24年と同水準と見立てる。
IMFによると「世界経済は今後も安定し続けることが見込まれるものの、勢いが欠けそうだ」と指摘する。ちなみに日本の24年の実質成長率は0・3%と、7月の予測から0・4ポイント下方修正された。
11月5日の米大統領選が目前だ。民主党のハリス副大統領と共和党のトランプ氏は、最終盤まで接戦を繰り広げる異例の展開である。IMFのリスクシナリオだけは回避してほしい。
(2024/10/25 05:00)
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