(2024/12/6 05:00)
忘年会の様子も変わってきた。アルハラという言葉も生まれ、コロナ禍を経て、ザルが水を通すように大酒を飲むご仁を見ることは減った。その酒とザルで頭に浮かぶのは、第一次世界大戦後の米国の禁酒法だ。
憲法を修正し施行されたのは1920年。ただ、法律の条文に飲酒を禁ずるという記載がなく、飲むこと自体は罪にならない。結果、密造や密売が跋扈(ばっこ)し、マフィアの暗躍を招いた。法の編み目をくぐり、実効をなさない「ザル法」というわけだ。大恐慌後の33年に廃止された。
豪州では16歳未満のSNS利用を禁止する法案が可決された。以前から議論され、子どもへの悪影響を重くみての結論だ。ただ、子どもや親への罰則は想定していない様子。1年後をめどに施行される予定だが、実効を発揮できるだろうか。
政治資金規正法は抜け道があると言われ続けてきた。改正の度にザルの編み目を狭めてはきたが、今国会で再び議論されている。政策活動費は廃止の方向にあるが、企業・団体献金の扱いでは意見に隔たりがある。
ビール会社は飲む人も飲めない人も一緒に楽しめるスマートドリンキングを勧めるようになった。ザルは疎まれる。政治は自らを変えられるか。
(2024/12/6 05:00)