勇気持ち忌憚なき意見を 関西電力 執行役常務 槇山実果氏に聞く

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大学卒業後は住友生命保険に入社して広報を担当し、結婚を機に退職しました。その後、複数の会社を経験しましたが、離婚後に関西電力に広報として入社しました。当社初の中途採用で契約社員。１年ごとの契約で３年間続け、もう１年契約社員だと言われたら辞めようかと思っていた矢先、正社員に登用されました。２００９年にチーフマネージャーになった時は、着任の式典の最中に「こんなポジションまで来たんだ」と思いがあふれ、涙が止まらなくなったことを覚えています。

１５年に再生可能エネルギー事業戦略室の事業戦略部長に就任。女性の部長は同時に昇格したもう１人と合わせ当社初でした。私は技術的な経験があるわけではなく、自分より知見がある部下を率いるのはとても大変でした。部下と一緒になって一連の実務に取り組むことで、徐々にやり方をつかんでいきました。

個性にもよりますが女性が上司だと、男性の部下も女性の部下も割と親近感を持ってくれます。一方で威厳が足りない面も否めず、いざ統制を取るべき時に差が出てしまいます。踏ん張らないといけない時は強く伝えるようにしていました。

当社は現在、幹部候補の女性社員を対象としたメンター制度を実施しています。女性活躍に向けた環境整備はかなり進んでいると思います。ただ役員会議などはまだ女性比率が少ないです。会議で女性がせめて３分の１ぐらいいれば、もっと忌憚（きたん）なく意見を言えるのではないでしょうか。

当社はまだまだ同質性が高いです。私も意見するのが遅れる時があります。社員の皆さんには、ぜひとも勇気を持って意見してもらいたいです。グローバル規模でさまざな企業とのやりとりが増えていますが、多様な価値観を持たなければ新サービスはできません。外国人も含め価値観が混じり合った方が経営にとって良いと、全員が理解しなければ。女性でもちゃんとリーダーになれると示すことが、私の責務だと考えています。